ボイラーについて

日本のボイラーは一般的には給湯のためだけの装置となりますが、イギリスでは給湯だけでなく、セントラルヒーティングという暖房システムも同じボイラーによってまかなわれます。

【タンク式ボイラー】

ボイラーとは別にお湯を溜めるタンク(Hot Water Cylinder)が付いています。まずボイラーで温められたお湯がこのタンク内にあるスプリング上のパイプを通り、その温まったパイプから放出される熱によって、タンク内に溜められた水が温まります。パイプ内のお湯を循環し続けることによって、タンクのお湯が一定温度に保たれます。但し、タンク内のお湯を一定量使用するとその分水が補給されるため、タンク内のお湯の温度が下がるシステムとなります。

長所:ボイラーが故障した場合でも、タンク内にある棒状の電熱器(イマ―ションヒーター)により、お湯を沸かすことができます。(※電気ケトルの原理)

短所:連続して使えるお湯の量が限られます。そのため、数人が時間を開けずにシャワーを浴びたりお風呂に入ると、途中で温度が下がったり、水圧が下がってしまいます。一度使い切ってしまった場合は、タンクの大きさにも寄りますが、十分な給湯まで30分~1時間程掛かります。

 

【コンビネーションボイラー(瞬間湯沸かし器)】

必要なお湯を瞬時に沸かすことができ、場所を取らないコンパクトなタイプです。

長所:いつでも使いたい量のお湯を瞬時に沸かすことができます。

短所:ボイラーが故障すると給湯も暖房も全て使えなくなります。また、暖房よりお湯が優先されるシステムのため、お湯を使用している間は暖房機能が低下したり、複数の場所でお湯を使用すると湯量や温度が低下する場合があります。

 

【セントラルヒーティングと温度調整】

ボイラーで作った温水を各部屋のラジエーターパネルへとパイプで循環させ、室温を上げる暖房システムをセントラルヒーティングといいます。このシステムは、各部屋や廊下間の温度差が小さく結露が少なくなる他、火災の危険性が低く、二酸化炭素やホコリが舞い上がらずきれいな空気を保てるため、アレルギー体質や乾燥肌の人、赤ちゃんにも安心です。また、部屋の温度が下がりにくく、均一に家全体を暖めることができ、コストが安く済むなどのメリットがあります。

 

温度調整の方法は、

  1. 各ラジエーターパネル付いているサーモスタットバルブ
  2. 壁に取り付けられたサーモスタットコントローラー又はパネル
  3. コンビネーションボイラー本体についているコントローラー

等によって行います。②と③はタイマー設定ができるタイプもあります。